「Slack は海外製で社内に浸透させにくい」「日本語サポートがしっかりしたビジネスチャットを探している」——国内中小企業からのツール選定相談では、こうした悩みが頻繁に寄せられます。
結論からお伝えすると、Chatwork(チャットワーク)は日本発のビジネスチャットで、チャット・タスク・ファイル・ビデオ通話を1つにまとめた国産SaaSです。2011年サービス開始、運営は Chatwork株式会社(現・kubell株式会社)で、国内中小企業を中心に40万社超が導入する定番ツールとなっています。本記事では Chatwork が初めての読者の方に向けて、正体・料金・Slack / Teams との使い分け・注意点までを網羅的にお伝えします。
Chatwork の申し込みルート比較
Chatwork は公式サイトからの直接契約が基本。大規模契約・代理店経由の商談もあり、国内ASP での取扱いは一部で存在します。
| 申し込みルート | 状態 | アクション |
|---|---|---|
| 公式サイト(go.chatwork.com) | 稼働中 | 公式サイトへ → |
| Chatwork 法人営業窓口 | 法人直販 | 要問合せ |
| 国内ASP経由 | 準備中 | 審査通過後に開放 |
Chatwork とは?基本を5分で理解する
一言でいうと「国内SMB向けオールインワン・ビジネスチャット」
Chatwork の本質は、海外発のツール(Slack / Teams)が「機能が多すぎて使いこなせない」と感じる層を想定した、シンプルさと網羅性のバランスにあります。チャット・タスク・ファイル・ビデオ通話を1つのツールで済ませる設計で、ITリテラシーを問わず導入できる点が国内の中小企業に浸透してきた理由です。
Chatwork が解決するのは「日本的商習慣と海外製ツールのギャップ」
Slack や Teams は優れたツールですが、「チャンネルをどう設計するか」「スレッドの運用ルールは」といった設計判断が導入時のハードルになります。Chatwork はグループ単位の会話をシンプルに運用する発想で、ITに強くない組織でも「メールから乗り換えてすぐ使える」到達地点に立てる設計です。
開発元 Chatwork株式会社(kubell株式会社)
Chatwork は2011年に大阪発のベンチャーとしてサービス開始。運営会社は2024年に社名変更し、現在は「kubell株式会社」として事業を展開しています。国産サービスゆえに日本の商習慣・商取引法・支払いサイクルに合わせたカスタマーサポートが整備されている点が、外資系サービスとの大きな違いです。
Chatwork の中心となる3つの概念
Chatwork を使いこなすために押さえておきたい概念が3つあります。
-
1グループチャット——会話の単位
プロジェクトや部門ごとに作るグループ単位の会話空間。Slack のチャンネルよりシンプルで、権限設計も管理者・メンバー程度の整理で運用できます。ファイル共有・タスク機能もグループ内で完結します。 -
2タスク機能——チャット内にタスクを残せる
Chatwork の特徴的な機能。メッセージから直接タスクを発行し、担当者・期限を紐付けられます。「依頼したタスクが会話の中に埋もれる」問題を避けられる設計で、Slack では別ツール(Asana・Trello)を併用する必要がある部分を内製しています。 -
3コンタクト・外部接続——社外とも繋がる
Chatwork ユーザー同士なら、別会社のアカウントとも直接コンタクト追加・グループ作成が可能。メールベースの取引先とのやり取りを Chatwork 上に移行する運用が、国内中小企業で広く行われています。
Chatwork が向いている人・向いていない人
Chatwork は「国内中小企業・IT慣れしていない組織・取引先との外部接続」で価値を発揮する設計です。大規模外資系企業のような複雑な業務フローでは、Slack / Teams の方が相性が良くなる傾向があります。
- 国内の中小企業・個人事業主でシンプルなチャットが欲しい方
- 日本語サポート・国内法令準拠を重視する組織
- 取引先・外注先(日本国内)と直接繋がりたい企業
- チャット・タスク・ファイルを1つにまとめたい小〜中規模組織
- 複雑なチャンネル設計・大量外部連携が必要な IT 企業(Slack 向き)
- Microsoft 365 導入済みで追加コストを抑えたい組織(Teams 向き)
- 外資系クライアント・海外メンバー中心のコミュニケーション
- エンジニア開発チーム中心の運用(GitHub 連携が重要)
Chatwork の代替ツール
Chatwork を検討する際に比較される主要ツールを、類似度と使い分けポイントで整理しました。
Chatwork でできる主要な使い方
1. 社内チャット(メール代替)
中小企業の社内コミュニケーションで最も多い用途。メールの重さから脱却したい、でも Slack は海外製で導入抵抗がある組織にフィットします。グループチャット + 個別チャットのシンプルな構造で、導入教育コストが低く済みます。
2. 取引先・外注先との外部コミュニケーション
Chatwork ユーザー同士であれば、別会社間でも直接コンタクト追加・グループ作成可能。メール中心の商取引を Chatwork に移行する運用が、国内の士業・制作会社・中小企業で広く定着しています。
3. タスク管理(チャット内で完結)
チャット上で依頼した作業をそのままタスクとして登録でき、担当者・期限を紐付けられます。Asana / Trello のような専用ツールほど多機能ではないものの、「チャットとタスクの分断」を避けたい小規模組織には実用的です。
4. ファイル共有・資料保管
グループ単位でファイルをアップロード・共有可能。保管容量は契約プランに応じて増加します。PDF・画像・Office 書類などを流し、議事録や契約書の確認過程を Chatwork 内に残す運用が定着しています。
5. ビデオ通話・音声通話
Chatwork 内で1対1または複数人のビデオ通話を開始できます。Zoom や Google Meet に比べると高度な機能は限定されますが、「ちょっと話そう」の軽量な用途に適しています。
6. 外部サービス連携・AI補助
Chatwork API を使えば、他の業務ツールからの通知を Chatwork に集約できます。ChatGPT / Claude を Bot として組み込む事例も増えており、メッセージ要約や自動返信補助などの用途で活用されています。
Chatwork の料金プラン
2026年4月時点の公式料金ページ記載を筆者が確認した内容を以下に示します。料金やプランの構成は変更される場合があるため、契約前に公式サイトで最新情報を確認ください。
| プラン | 月額(円) | 原通貨 | ユーザー上限 | 主要機能 |
|---|---|---|---|---|
| フリー | 無料 | ¥0 | 人数制限あり・機能制限あり | - 基本チャット機能 - グループチャット - タスク機能 - 一部の容量・連携に上限 |
| ビジネス | 700円 | ¥700/ユーザー/月 | 契約ユーザー分 | - 組織全体の管理機能 - ユーザー・チャット履歴の管理 - 外部サービス連携の拡張 |
| エンタープライズ | 1,200円 | ¥1,200/ユーザー/月 | 契約ユーザー分 | - 高度なセキュリティ設定 - 監査ログ - データバックアップ |
どのプランを選べばいいか
- お試し・小規模運用 → フリー。機能・人数に制限はあるが、手応えを見るには十分
- 本格的な社内利用 → ビジネス。管理機能・履歴保存が解放され、本格運用の入口となる実用ライン
- セキュリティ・コンプラ要求が高い → エンタープライズ。監査ログ・高度なセキュリティが必要な組織向け
Chatwork のメリット・デメリット
Chatwork の強みと弱みを、公式ドキュメント・一般的な運用パターンから整理しました。
◎ メリット
- 国産サービスで日本語サポートの品質が高く、中小企業の現場で導入障壁が低い
- チャット・タスク・ファイル・ビデオ通話が1つにまとまっており、ツールの分散が少ない
- Slack のチャンネル設計より単純で、IT慣れしていない組織でも運用が定着しやすい
△ デメリット
- チャンネル数・スレッド階層・通知細分化は Slack / Teams に比べてシンプルで、大規模組織では物足りない
- 外部連携できる SaaS の数は Slack ほど多くないため、開発系ツールとのハブ化には不利
- 外資系クライアントとのコミュニケーションではメジャーでない場合があり、併用が必要なケースがある
メリットの深掘り
最大の強みは国産ゆえの「使いやすさ」です。日本の商習慣を前提にした UI 設計、日本語サポート、日本国内のデータセンター運用——IT専任のいない中小企業でも、導入・運用ハードルが低く収まる設計が徹底されています。オールインワン型の網羅性も魅力で、チャット・タスク・ファイル・ビデオ通話が1つにまとまり、ツール分散によるコスト増と運用の分かりにくさを回避できます。取引先・外注先との直接接続は、国内の中小企業間コミュニケーションで特に価値が高い機能。メールで続けていた社外とのやり取りを、スレッドと履歴を保ったまま Chatwork に移行できます。
デメリットの深掘り
大規模組織では機能不足を感じる場面があります。Slack のチャンネル階層、権限の細分化、スレッドの分離といった「規模に耐える設計」は Chatwork では簡素化されており、社員数千人の組織で使うと運用ルールで補う必要が出てきます。外部連携できる SaaS の数も Slack に比べると少なく、特に開発系ツール(GitHub / Jira / AWS)との連携エコシステムでは Slack が有利です。外資系・グローバル企業での利用では、Chatwork のネームバリューが十分ではなく、海外クライアントへの案内時に説明コストがかかる傾向があります。国内完結型の組織には強く、国外連携が必要な組織では Slack / Teams の併用が現実的です。
Chatwork に関するよくある質問
Q1. Chatwork と Slack、どちらを選ぶべき?
判断軸は「組織の規模とITリテラシー」です。中小企業で取引先とも繋がる用途なら Chatwork、IT企業・スタートアップで外部連携を多用するなら Slack、という棲み分けが実務的です。両方無料枠を使って1〜2週間試し、現場の反応で決めるのが確実な方法です。
Q2. 無料プランでどこまで使えますか?
公式情報によれば、フリープランは人数・機能・容量に一定の制限があります。小規模チームでの試用や個人利用には十分ですが、本格運用では早期に有料プランへの移行を検討することになります。
Q3. データは日本国内に保管されますか?
公式情報によれば、Chatwork は国内のデータセンター運用を基本としており、国内法令準拠のサービス運営がなされています。個人情報保護・業界規制への対応面で、国内完結型のサービスを望む企業に適合します。
Q4. 取引先が Chatwork を使っていない場合は?
相手側も無料アカウントを作成すれば、Chatwork でのやり取りに参加できます。実際の運用では、取引先を Chatwork に誘導することで社外コミュニケーションをツールに統合する動きが広がっています。
Q5. API での自動化はできますか?
Chatwork API が公開されており、Zapier / Make などのノーコード連携サービス経由での呼び出しも可能です。外部ツールからの通知集約、AI Bot の組み込みといった自動化の幅は広がっています。
Q6. 解約したらデータはどうなりますか?
公式情報によれば、有料プラン解約後はフリープラン相当の機能範囲での利用継続となり、一定条件下でデータは保持されます。解約前に履歴やファイルのエクスポートを行う運用が推奨されます。
